今年はイシミカワが元気です。水辺の草むらをかき分けて進むと、茎や葉裏の鋭い逆刺が衣服に引っかかります。小さい棘だと侮ってはなりません。イシミカワが濃く生えている場所を通り抜けようとすると、体の動きがとれなくなるようなときもあります。「何を急ぐの、ちょっと寄っててよ!」と言われているようです。「はい、はい」と応じて、観察開始。茎の逆刺の立派さに驚嘆し、大きく丸い托葉に感心し、美しい紫色の果実を賞賛すると、ようやく棘から解放されます。じっくり観察したご褒美でしょうか。この日はなかなか見られない花をいくつも開いて見せてくれました。物々しい逆刺からは想像できない、しっとりとしたやさしい花です。遠慮がちに少しだけ開いてくれました。