上野橋東公園から堤防道路を隔てた堤下児童公園にモミジバスズカケの木が数本あります。街路樹としてもよく見かける木で、珍しくはありませんが、豊かな緑の葉隠れに丸い果実が覗いて涼しげです。私の通った郷里の小学校には、校庭の端に大きなモミジバスズカケノキの並木があり、学校のシンボルツリーになっていました。暑い夏には緑陰を提供してくれ、秋が深まると「バクダン」のような固い実を枝いっぱいに実らせます、それを持って男の子同士が追いかけっこしながら頭をコツンコツンとたたき合ったものです。毎年卒業していく児童が寄せる文集のタイトルも『すずかけ』。しかし故郷を離れてしばらく経って訪れた校庭には、もうスズカケノキの姿はありませんでした。今は文集はどのようなタイトルになっているのでしょうか。スズカケの木はあの頃の子供時代を懐かしく思い出させてくれます。