田子さんがヒメガマを投稿されたので、私の方から投稿しそびれた蔵出し画像を提供します。最初の縦長の写真がヒメガマの穂。上部が雄花で下部が雌花。雄花と雌花の間が少し開いていますが、これがヒメガマの特徴。一方で、ガマの穂はこれが狭いです。
『古事記』の「因幡の白兎」の物語で大国主命が、丸裸にされたウサギの傷を癒やすガマの穂は、一般には熟した雌花(穂綿)の方だと思われていますが、実は雄花の方だそうです。雄花穂から取れる花粉は、蒲黄(ほおう)と呼ばれ、古来生薬として外傷の手当に使われました。
ところで、現在も傷の手当てに「ホルム散」という黄色い粉末状の薬品を使いますね。これは成分の1つで殺菌作用のある「アクリノール水和物」の色で、ガマの穂とは関係ないのですが、蒲黄にとてもよく似ています。もしも大国主命がが現代に現れて白兎を救うとしたら、さて「穂黄」か「ホルム散」かどちらを使うでしょうか。(写真は左から時計回りに、ガマの穂、雄花、花粉、雌花、花粉を飛ばす雄花穂、嵐山東公園にて)