日没後、降雨の湿気でねっとりした大気の中を、アブラコウモリと思われるコウモリが多数飛翔していました。夕方から夜にかけての餌を狩る行動です。今年は特に数が多いと感じます。集団は徐々に川上に移動していきます。不思議に思って、カメラの拡大画像を見ると、コウモリの周囲には多数の昆虫の姿が。コウモリは飛翔する昆虫の集団を追いかけて移動しているようです。あたかも「昆虫スープ」の中を飛翔しているようです。
ちなみに、アブラコウモリの「アブラ」とは、近世日本でこのコウモリを「アブラムシ」と呼んだことから来ているとか。学名の Pipistrellus abramus の種小名 abramus は、シーボルトがこのコウモリをヨーロッパに紹介して、日本語の「アブラ」の音が学名に付けられたとのこと。実は日本語なのですね。属名の Pipistrellus のルーツを探ると、「夜の鳥」を意味する vespertilio に行きつきました。「夜の鳥、アブラムシ」というところでしょうか。面白いですね。(拡大画像を見ると昆虫の集団が確認できます)