「カマキリの眼って不思議!」と思った方は多いのでは?カマキリの眼はいつも眼の中の一点がこちらを見据えています。右へ逃げても左に逃げても追いかけてくる。カマキリがあっちを向いても、こちらをしっかり睨んでいる...確かに不思議ですね。この一点の眼は「偽瞳孔(ぎどうこう)」と呼ばれます。昆虫の複眼を構成する個眼は、角膜の下に円筒状の光を受ける細胞が配置され、その細胞の受光面が光を吸収するので、細胞を正面から見ると黒く見えます。したがって、観察者が角度を変えて複眼を見る場合にも、常にどれかの個細胞(複数の場合もあり)が正面に来ることになり、個眼の底が黒く見えるので、あたかも観察者を追っているように見えるというわけです。
下に提示した、オオカマキリ、オナガサナエ、アカハネナガウンカの眼の画像ではいずれも偽瞳孔が観察されます。アカハネナガウンカの眼が中央に寄っているのは、正面を向く個眼が中央に寄っているからなのでしょうね。秘密を知ってもやはり不思議は不思議ですね。