話はいささか旧聞に属しますが、2012年のナショナルジオグラフィック・オンラインに、一億一千万年前のクサカゲロウの幼虫の化石が見つかったとの記事があります。クサカゲロウは肉食性の昆虫で、獲物にした昆虫の食べカスやゴミなどを、背中に生えた毛に引っかけて身を隠す擬態で知られています。一億一千万年を生き延びたとすれば、この擬態、よほど効果があるのでしょうね。その時代は白亜紀の前期、大地には恐竜が闊歩し、巨大なシダやソテツが繁茂していた時代です。さて、人間はあと何世代を生き抜く術を持ち合わせているのか?手すりのクサカゲロウを見ながら考え込んでしまいました。(原著論文はこのリンクから読むことができます。発掘された琥珀の写真も見ることができます。)