西芳寺川沿いのヌルデの木に、ヌルデミミフシを見ました。ヌルデミミフシは、ヌルデの葉柄にアブラムシの一種(ヌルデシロアブラムシ)が寄生してできる大きな虫えいです。これを乾燥したものを五倍子(ふし、ごばいし)と呼び、薬用あるいは染料として利用されてきました。主成分はタンニン酸で、重量の約70%を占めるとか。日本では、かつては御婦人方が歯を黒く染めた「お歯黒」の材料にもなったそうです。
ちなみに色々な虫えいを「ふし」と呼ぶのは、このヌルデミミフシを「ふし」と呼んだことが始まりだそうです。いわば「元祖虫えい」と言えるかもしれません。