河川敷のクズの葉に、小さなタマムシが見られる季節になりました。名前は「クズノチビタマムシ」。名前に体の特徴(小ささ、約3ミリ)を示す言葉が入っているので「名は体を表す」のですが、ちょっと気になります。
身体の特徴、性別や人種に起因する差別的な呼称を廃止するのは、世界的なトレンド。それを受けて日本魚類学会は2007年に標準和名を変更しました。米国の昆虫学会(The Entomological Society of America)は、「民族や人種に言及する名称や不安をかき立てる名称を禁止するとともに、特に侵襲外来種については特定の地域に言及する名称を非推奨とした。」とのこと。具体例としてはオオスズメバチの改名があります(CNN日本語版)(米昆虫学会のプレスリリースはこちら)。今年は京都で国際昆虫学会議(ICE2024)が開催されるとのことですが、まだ、この小さな虫を含めて昆虫の名前を改めるという話題は聞こえて来ません。もっとも、虫たちにとっては、命名をめぐる侃侃諤諤の論争は、人間界の勝手な大騒ぎにしか見えないでしょうね。