桂川のあちこちでオニドコロの花を見る季節になりました。オニドコロはヤマノイモの仲間で雌雄異株。葉はヤマノイモに比べると少し幅広で、円心形ないしは三角状心形です。上向きに咲く雄花は多く見かけます(写真左)が、下向きに咲く雌花 (写真右) は少なめで、見つけるとちょっとハッピーな気持ちになれます。というのは、雌花の子房は受粉するとすぐに上向きに3つの翼を張り出させて、面白い形に変化していくからです(写真右)。「オニ」の名は、塊根の荒々しさとも、毒を含むからとも。「トコロ」でについては、漢字では「野老」をあてます。一説にはオニドコロのヒゲ根を老人のヒゲに見立てたものとか。また、埼玉県の所沢の「所」も、本来は「野老」のトコロであったとか。根を食用にするなどと記載した文献もありますが、実際にはアルカロイド類を多く含み、食用にはならないどころか毒だそうです。念のため。